皆さん、こんにちは。高橋です。

今回は「消費者の価値観に着目したマーケティング手法」について、ブログを書きたいと思います。

消費者ニーズが多様化し、国内市場が飽和しつつある現代において、価値観に着目することの有用性や、価値観に基づいた商品企画やプロモーションなど具体的なマーケティング手法について、皆さんに有意義な情報をお届けできればと思いますので、是非最後まで読んで頂けると幸いです。

なぜ、消費者の「価値観」に着目するのか?

消費者の価値観に着目することの意義について説明する前に、そもそもマーケティングとは何であるのか、まずはそこから説明したいと思います。

マーケティングの定義については、世の中で色々な解釈がなされていますが、私たちは「顧客の目的(ニーズ)をインサイトし、売上・収益を伸ばす仕組みづくり」だと考えています。

営業的発想が、目の前の商品を売り切ることにフォーカスするのに対して、マーケティング的発想では、背景にある真の消費者ニーズを解決することにフォーカスします。

マーケティングとは 価値観マーケティング

では、マーケティング的発想の肝になる消費者ニーズは、どのように把握すれば良いのでしょうか。これにはまず、消費者を「デモグラフィック属性で捉える」方法と「価値観で捉える」方法の大きく2種類が存在します。

まず、前者の「デモグラフィック属性で捉える」方法では、性別や年代、職業や収入といった属性の切り口から、消費者のニーズを把握しようと試みます。しかし、ニーズが多様化した現代においては、このような属性のみの切り口では、真のニーズを捉えることは難しくなっています。

そこで、後者の「価値観で捉える」方法が必要になってきます。この方法では、どんな自分でありたいか、人からどう見られたいかなど、消費者の根源的な欲求を切り口にニーズを捉えようとするため、時代やトレンドの影響を受けずに、本当のニーズを把握することができます。

消費者の本当のニーズを捉えるために価値観に着目する

 

また、消費行動を後押ししているのも、目に見えない「価値観」です。例え、共通の属性であっても、価値観が異なれば、その人たちの消費行動は変わってきます。つまり、消費行動や消費実態の背景にある「嗜好」や「価値観」こそが、企業のマーケティング企画にとって有用な情報だということになります。

しかし、消費者の「嗜好」や「価値観」は企画にとって有用である反面、企業が情報を入手しにくいという難点があります。したがって、企業は消費者の価値観を理解するべく、価値観を可視化するためのツールが必要になってきます。

以下、具体的な可視化ツールについて、ご紹介したいと思います。

 

価値観を知るためのツールとは?

弊社では、消費者の価値観を可視化するために、「Flower」と呼ばれるツールを使用しています。「Flower」とは、日本人を、生活や消費に対する価値観で8つのタイプに分類したマーケティングセグメンテーションであり、このツールを通して価値観を可視化することができます。8つのタイプは下記図を参照してください。

価値観セグメントの特徴 価値観マーケティング

また、「Flower」は影響波及力という観点から大きく2つのタイプに分類することもできます。(下記図参照)

具体的には、消費欲求・購買力ともに高く、新商品やトレンドにも敏感なセグメント群である「Flow」と、消費欲求や購買力がそれ程高くなく、先述した「Flow」セグメントがいち早く反応し、一般社会に普及・浸透した商品・サービスを追随するようなセグメント群である「Lower」に二分されます。

価値観セグメントの影響波及力の違い 価値観マーケティング

このように、「Flower」を用いることによって、企業が一般的に情報を入手しにくい 消費者の「価値観」を可視化し、把握することができます。

しかし、ここで終わってしまっては、価値観をマーケティングに活用することができているとは言い難いです。可視化した価値観を、マーケティング活動に有効的に活かすには、価値観タイプを「共通認識化」し、価値観タイプごとに「刺さるアプローチ(攻略要件)」を検証し、ナレッジとして蓄積することが重要になってきます。(下記図参照)

価値観セグメント別商品企画要件 価値観マーケティング

価値観セグメント別チャネル・空間要件 価値観マーケティング

 

顧客に価値を感じてもらうための、コンセプトづくりとは?

消費者の価値観を把握し、価値観タイプごとの攻略要件を見出したら、意志を込めて狙うべき顧客ターゲットを決め、具体的な商品企画やプロモーション設計を行います。

この際、企業目線の商品価値と顧客目線の商品価値を明確に区別し、大切なのは「商品に対する顧客の認識」であることを今一度確認することが重要になります。

多くの企業は、機能や素材、デザインなどの「商品の事実」で商品価値を規定しがちですが、事実をそのまま顧客に伝えたとしても、顧客がそれを価値として感じてくれるかは分かりません。

したがって、商品の機能や素材、デザインを良いと感じられるかどうかという「顧客の認識」に焦点を当て、企業としては、「商品の事実」を「顧客の認識」に変換することが求められます。そして、この変換プロセスこそが、マーケティング業務における「企画」なのです。

商品の価値を測る上で大切なのは顧客の認識 価値観マーケティング

 

では、いかにして、「商品の事実」を「顧客の認識」に変換していくのか。そこで重要になってくるのが、「体系的なコンセプトづくり」です。

具体的には、ターゲットとその価値観を起点に、顧客から選ばれるベネフィットを規定します。その上で、顧客目線(ニーズ発想)と企業目線(シーズ発想)を連動させながら、上下にスムーズに接続するコンセプトを構造的にブラッシュアップしていきます。

ブランドやマーケティングのコンセプトを考えるフレームワーク 価値観マーケティング

 

以上が、消費者の価値観に着目した、具体的なマーケティング手法の全体像になります。いかがだったでしょうか。

簡単に総括すると、ニーズが多様化している現代においては、消費者の価値観に焦点を当てて、顧客をインサイトすることが有効です。そのために、「Flower」のようなツールを用いて、消費者の価値観を可視化し、価値観別の攻略要件を構築していくことが重要になってきます。

その上で、意志を込めてターゲットを設定し、顧客目線と企業目線を連動させながら、コンセプトを構造的にブラッシュアップしていくことで、各種マーケティング施策に繋げていきます。

直近のCOVID-19の影響もあり、消費価値観が多様化する今だからこそ、皆様にとって有意義な情報を提供できていれば幸いです。

 

◆「価値観マーケティング」を通じて実際に市場シェアを拡大した成功事例

成熟市場で圧倒的にシェアを伸ばすピジョン株式会社から学ぶ。市場に風穴を空けるブランド戦略とは?(前編:開発期)
成熟市場で圧倒的にシェアを伸ばすピジョン株式会社から学ぶ。市場に風穴を空けるブランド戦略とは?(中編:立上期)
成熟市場で圧倒的にシェアを伸ばすピジョン株式会社から学ぶ。市場に風穴を空けるブランド戦略とは?(後編:拡大期)

 

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